書評・レビュー「うつかな?と思ったら男性更年期を疑いなさい」

2017年5月27日

男性更年期

「最近全くやる気が出ない」
「何もする気になれない」
「朝立ちがなくなった」
「夜、トイレに何度も起きるようになった」
「眠れない、朝起きられない」
「暑くもないのに急に汗がでる」

このような男性は、この本を読む価値があると思います。

今回は、「うつかな?と思ったら男性更年期を疑いなさい」という本を読んでみたレビューです。

男性更年期障害、LOH症候群

私も先日遊離テストステロン値を測って、男性更年期障害(LOH症候群)であることが分かっています。

LOH症候群とは、加齢に伴う男性ホルモン値の減少により、このような症状を示すものです。

精神症状 身体症状
健康感の減少 筋力低下、筋肉痛
不安 疲労
イライラ ほてり、発汗
うつ 頭痛、めまい、耳鳴り
不眠 性機能低下
集中力の低下 頻尿
記憶力の低下 朝立ちの消失
性欲の減少

この本はこのLOH症候群の第一人者である、順天堂大学医学部の堀江教授の本です。なんと東京大学医学部卒です。

テストステロンはとにかく重要

遊離テストステロン

この本に何度も出てくる最重要キーワードは、やはり男性ホルモンであるテストステロンですね。とにかくテストステロンは重要であり、テストステロンを上げるための小さな工夫が諸々載っています。

ただ、この本に出てくるテストステロンの効果は、いささか誇張があるような気がします。仕事の成功や、仕事の戦略性、クリエイティビティ、その他男の人生はすべてテストステロンのようです、笑

本の内容

さて、本の内容はとても初歩的で網羅的です。「うつかな?と思ったら男性更年期を疑いなさい」というタイトルの通りといいますか、男性更年期障害というものを知らない方が読んでも、すんなり理解できるような内容になっています。

逆に言えば、すでにLOH症候群について調べまくっている方がこの本を読んでも、あまり得られるものはないかもしれません。

勉強になった内容

テストステロンと社会性と頻尿

テストステロンは、正義感、公正性や縄張り意識に関連する。テストステロン値が高い人のほうが公正な事を重んじる、とのこと

テストステロンが高いとパソブレシンという抗利尿ホルモン(尿を濃くするホルモン)を増やすが、このホルモンにより縄張り意識が生まれる。男がお店などで「いつもの席」を持ちたがるのはこのホルモンのせいのよう。

なので、テストステロン値が下がると尿が濃縮されず、頻尿になる

ED

EDを主訴とするLOH症候群の場合、勃起補助薬も有効のよう。勃起補助薬自体も、テストステロン値を高める効果があるとのこと。

生活改善が大事

LOH症候群における男性ホルモンの補充は、糖尿病におけるインスリン注射のようなもので、あくまで補助的なもの。治療と同時進行で、生活改善を行うことが必要と述べています。

漢方薬

補中益気湯

堀江教授のメンズヘルス外来では、ホルモン治療において漢方薬をとても有効としています。

第一選択として補中益気湯をあげています。遊離テストステロンを増やし、ストレスホルモンのコルチゾール、緊張した時に出る副腎皮質刺激ホルモンを下げるようです。

また、NO(一酸化窒素)を高める牛車腎気丸、DHEAという男性ホルモンを高める八味地黄丸をあげていました。

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女性

セックス

知らない女性、初めての女性に会って話すと、テストステロン値が上がるとのこと。たとえ80歳のおばあさんでも。

また、言い寄られたりして鼻の下が伸びているときにもテストステロンは上がる。

テストステロンと職業

3つの師と言われる、医師・教師・牧師はテストステロン値が低い。逆に、フリーランス、芸術的な職業、肉体を使う職業はテストステロンが高い。

認められること

テストステロンは、自分の存在意義が他者に認められると上がるよう。

フリーアドレス制の会社

明確な理由は書かれていませんでしたが、、フリーアドレス制の会社は男性が落ち着かないため、NGのようです。

鈍感力

人間の脳の中の扁桃体は感情を司っており、今まで体験した記憶が蓄積されている。その中には恐怖とか不安などもあり、思い出してしまっては当然日常生活に支障をきたす。このような記憶にフタをしているのがテストステロンである、とのこと。

クリエイティビティと海馬

テストステロンは脳の海馬でもつくられる。また、海馬から過去の記憶を引っ張り出すときにもテストステロンが関与している。

テストステロンが少ないと記憶を引っ張り出せなくなり、アイデアも出なくなってしまうとのこと。

ストレス

脳の下垂体が性腺刺激ホルモンを出し、睾丸でテストステロンがつくられる。しかしストレスを感じると、副腎皮質刺激ホルモン放出因子(CRF)が出て、精巣刺激ホルモンが減り、テストステロンが作られない。

射精

射精をすると体内で活性酸素(フリーラジカル)が大量に生まれ、健康を脅かし老化を早めるとのこと、、

性的興奮とテストステロン

テストステロンは性的興奮と関係はない。性的興奮は、たとえばAVを見るなどして視覚的に脳が興奮して起こる。

NO(一酸化窒素)

NOは、血管や筋肉、神経などの体のしなやかさをつくる。このためNOが減ると老化が更に早まってしまう。同時に陰茎周辺の筋肉を緩め、血液が海綿体に流れ込んで勃起する働きを示す。そして、NOが減ると脳の神経細胞がよく働かず、頭が固くなりうつの原因にもなる。

NO減少の原因は活性酸素による酸化と糖化。活性酸素を減らすためにカロリー過多の食事、喫煙、紫外線、放射線を避け、糖化を防ぐために糖分を減らすこと。

EDの人は、活性酸素による酸化ストレスが高いことが明らかになっている。酸化ストレスが増加すると男性ホルモン量も減る。

メリットいっぱいなEDの治療

バイアグラ

バイアグラ・レビトラ・シアリスは、NOを出す機能を向上させ、血管の新陳代謝を良くし、動脈硬化を起きにくくし、活性酸素の害を減らし、心肺機能を高める。つまりアンチエイジングになる。

男性不妊と漢方薬

精子の数が少ない、運動率が悪い、奇形率が悪いなどの男性不妊の場合には、まずは精子の活性化を図るために補中益気湯などの漢方薬や、レスベラトロールなどの抗酸化作用を持つサプリメントを使う。

次に精巣静脈瘤をチェックする。

最後の手段はHCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモン剤を投与する。これは妊娠した女性の体内で作られるホルモンで、男性の体内で作られることはないが、投与すると下垂体に働いてテストステロンが上がる。直接テストステロンを補充すると精巣の機能が弱まってしまうから。

テストステロンと前立腺がん

テストステロンは、前立腺がんの悪性度を低める。良性のがんを悪性のがんに変えないように働いてくれる

マラソンはテストステロンを上げるのに不向き

マラソンは持続的な強度の高い運動のため、逆にテストステロンが消費されてしまう。適度な運動が一番。

食事

卵

羊肉にはカルニチンが多く含まれ、テストステロンを高く維持してくれる。

精巣は活性酸素による酸化に弱いので、玉ねぎ・にんにくなどの抗酸化作用のある食品は有効。中でも玉ねぎに含まれる含硫化合物はテストステロンを上げる。ニンニクはたんぱく質と取ると効果的

山芋は補中益気湯と同様、DHEAを上げる効果がある。

スイカなどにはシトルリンが含まれ、NOを産生してくれる。同様に肉などに含まれるアルギニンも。

カキやレバーなどの亜鉛を含んだ食事も有効。

昔は嫌われ者だったコレステロールも最近はむしろ健康に良いことが分かってきた。しかもテストステロンの原料はコレステロールである。卵類、レバー、イカ、しらすなどに多い。

テストステロンを上げる習慣

  • 運動
  • 仲間とともに行動する
  • ストレスを解消する
  • 夜更かししない
  • 女性と接する
  • 自分が元気になる場所に出かける
  • 海に入る
    →海はプールとくらべて危険な場所だから
  • 臭い
    →五感への刺激でテストステロンは分泌されるから
  • ゲームをする
    →ゲームをするとドーパミンが分泌され、これはテストステロンを高めてくれる

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