書評・レビュー 『泌尿器科医が教えるオトコの「性」活習慣病』

2017年5月28日

泌尿器科医が教える - オトコの「性」活習慣病

今回は『泌尿器科医が教えるオトコの「性」活習慣病』という本を読んでみました。

著者の小堀医師は、ヨミドクターというサイト内でオトコのコト医師・小堀善友ブログ泌尿器科医・小堀善友の新オトコのコトというブログ記事を発信したり、Facebookでコボちゃん先生射精障害講座などの記事を発信しており、勉強になる性の情報を教えてくれる素晴らしい泌尿器科医の先生です。

この信書は、そんな小堀医師が勃起や射精、精子など男の性に関する病気やその予防法に関してまとめたものです。色々な病気が載っていますので、興味のある方はとても勉強になると思います。

この本に出ている内容を細かいものまでざっとあげると、このようなものがあります。

  • 射精障害
  • 勃起障害
  • 女性の性機能障害 – 性交痛、ワニギスムス(膣痙攣)
  • 男性不妊症 – 無精子症、乏精子症、精巣静脈瘤
  • 男性ホルモンについて
  • 男性型脱毛
  • 持続勃起症
  • 逆行性射精
  • 無射精症
  • 膣内射精障害
  • 男性型更年期障害(LOH症候群)
  • 早漏・遅漏
  • 陰茎折症
  • 射精恐怖
  • 糖尿病
  • 前立腺がん、前立腺肥大
  • やってはいけないオナニー
  • 朝立ち

それぞれ、小堀医師の分かりやすく優しい口調で語られていますので、たいへん読みやすく頭に入ってきます。

男性性機能障害の治療は遅れている!

女性には「婦人科」というのがあり、女性に関する悩み、例えば不妊症とか更年期障害、その他の病気まで引き受けてもらえます。

しかし、「男性科」というのはなく、泌尿器科がその役目を負っている状況と言います。男性特有の病気などについて扱っているわけではないため、男性に関する研究は10年遅れていると小堀医師は警鐘を鳴らします。

なので小堀医師は、このように本を書いたりブログを書いたりして情報発信をしてくれているのでしょう。

勉強になった所

セックス

セックスの回数と寿命

セックスの回数が多く、セックスを楽しんでいる人のほうが長生きするという研究がある

精子の老化

年をとると精子は老化し、男の遺伝子であるYを持つ精子が減少するため、高齢で父親になると女の子が生まれる確率が高くなる。

射精には交感神経優位でないと起こらない

勃起には副交感神経優位の状態(リラックス)が必要ですが、射精は逆のようです。一体どうしたら。

EDは血管のイエローカード

陰茎の血管は非常に細いので、EDになるということは血管が固くなっている→動脈硬化の可能性

タバコはペニスも精子も傷つける

タバコは血流を悪くしたり血管の細胞を傷つける。また活性酸素を増やし体中の細胞を錆びさせる。勃起したいならタバコと縁を切るのが吉。

フィナステリドでEDになったら戻らない?

AGA治療薬であるフィナステリドを使用することで、勃起障害になったり(しかも、一度なってしまったら元に戻らない)、うつ状態になったりすることがあるようです。アメリカでは「ポストフィナステリド症候群」として問題になっているそう。

黄砂がオトコに影響する

マウス実験では、黄砂を吸うと精巣が萎縮し、精子を作る機能が低下したことが分かったとのこと。また、妊娠中の雌マウスに黄砂を投与した所、赤ちゃんの数が減り、生まれてきた雄の精巣が小さく、造精機能が低下したことがわかったとのこと。黄砂は吸わないようにしましょう。。

遅漏が多いのは日本人だけ

国際学会などでも、ほとんどの研究テーマは「早漏」であり、遅漏が多いのは世界で日本だけのよう。「日本人女性は奥ゆかしいから、早漏でも文句を言われることがないから男も気づかないんだ」という説も有るようですが、、

テストステロン値と勃起障害は関係ない?

テストステロン濃度が高くても勃起障害の人もいれば、濃度が低くてもちゃんと勃起できる人もいると海外の論文で報告されています。一方で、ストレスホルモンであるコルチゾールが高くなると勃起障害が増えると言う研究もあります。

一般的には、もともとテストステロン値の低かった人の濃度が多少落ちてもあまり影響は無いけれども、高かった人の値が大きく減った場合にはダメージを受けるようです。

性腺機能障害

脳下垂体や精巣の機能障害により、テストステロンが低下するなどの症状があります。クラインフェルター症候群など、、

ED治療薬は心臓や血管に良い

意外なイメージかも知れないが、バイアグラ・レビトラ・シアリスは心臓や血管に良い

サウナは精子に悪い

週二回、80〜90℃のサウナに15分間、3ヶ月間入ってもらった所、精子の数と運動量に低下があったそう。やはり、熱は精巣によくないようです。

秋に子供が多い理由

秋に出生数が多い理由として、前年の冬に子作りに成功したと言えそう。これは、冬は気温が低いため、精子の数や運動量が良かったからでは?

 

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